IDEA magazine371
2015/10
アイデアのアイデア

IDEA No.371
Published: 2015/10
Price: 定価3,111円/2,829+tax jp yen
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特集:アイデアのアイデア

デザインされた品々であふれる日常を過ごしながら,私たちがそれらの生産過程や作り手の姿を目にする機会は少ない。しかし,実際のところデザイナーたちの仕事の大半を占めるのはかたちが生まれる以前のプロセスにあり,そのなかでデザイナーは日々何を感じ考えているのか。ひとつのかたちに至るまでの着想やアイデアを知ることが,現代デザインを読み解く近道となるだろう。

五輪エンブレムをめぐる言説が明らかにしたのは,形や色とその配置をめぐる20世紀的なモダンデザインのボキャブラリーだけでは現代のデザインのあり方を捉えられない,ということだ。

本特集では現代そして未来のグラフィックデザインの基礎となるような考え方や視点を探るべく,世界各国のグラフィックデザイナーたちに自身の視点をもとにしたキーワードの選定と執筆を依頼。現在進行形のデザインをめぐる百科事典を協働編集した。

その生きた言葉のなかからデザインの生産過程に潜む知の体系を浮かび上がらせてみたい。

企画・構成:橋詰宗,古賀稔章,アイデア編集部
文: 古賀稔章(イントロダクション・章扉)
デザイン:橋詰宗

グラフィックデザインのABC: 問う人との対話
第1章: テクノロジー
第2章: 道具・方法
第3章: コミュニケーション
第4章: 編集・メディア
第5章: 環境・社会

綴じ込み冊子:『構造,覚え書き,省察』

〈特別企画〉カセットカルチャーの現在形

〈連載〉イエロー・ページ
第6回 ジャン・グエン(ホーチミン)

〈イベントレポート〉
「日本のグラフィックデザイン史 1990-2014」トークイベント
グラフィックデザイン篇/ブックデザイン・タイポグラフィ篇

〈連載〉ばるぼら×野中モモ:
日本のZINEについて知ってることすべて

第4回 80年代のジン──Life After Punk Rock

Reviews & Information
新書体
the idea of music [017]
インフォメーション&新刊紹介
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレム発表

〈巻末綴じ込み〉Baconカセットラベル

特集:アイデアのアイデア

グラフィックデザインのABC: 問う人との対話
第1章: テクノロジー
デザイン/フラット/『グラフィックデザインの素材と道具』/グラフィコス/田中一光/インフラ・フラット/インクの/ジャン=ポール・グード/地図/模型/スケーラビリティ/サイエンス・フィクション/刀鍛冶

第2章: 道具・方法
偶発性/批評/欲望/二重のコード化/誘起/グリッド/集団思考/ピクチャーファイル/ドラム演奏/肖像/ポテンシャル/再- /スキューモーフ/スローダウン/翻訳/書く

第3章: コミュニケーション
選択する/憐れみ/ダイアグラム/気散じ/『目の見えない人は世界をどう見ているのか』/絶縁/余白/方法/非貨幣交換/神聖幾何学/ベルタン『図の記号学』/ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』/翻訳/環世界/不明

第4章: 編集・メディア
美/黒と白/物語素/色/ディスプレイ/エド・ルシェ/流動化とその作法/装置としてのグラフィックデザイン/インスタグラム/プロセス/疑問(インターフィニティ・マーク)/表象/シグネチャー/身体/古書店

第5章: 環境・社会
蓄積/本/一貫性/コモンズ&コモン化/貢献/友情/知的投資/言語ゲーム/鶴見俊輔の「カント? ウフフ」の哲学/しょうぶ学園/遅さ/『構造,覚え書き,省察』/電子タバコ/視覚教育/『XX』

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綴じ込み冊子:『構造,覚え書き,省察』 
編集・デザイン:アレックス・リッチ,ユルグ・レニ

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橋詰宗(デザイナー)
1978年広島県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)コミュニケーションアート&デザイン修士課程修了。女子美術大学非常勤講師。芸術・建築・ファッション等に関わるアートディレクション・ブックデザイン・ウェブデザイン等を手掛ける一方で、『D♥Y』『HUMAN PRACTICE』『何に着目すべきか?』『紙と束見本』『(   )も(   )も(   )も 展』など、実践と着目点をコンセプトにしたワークショップ、スクールや展覧会ディレクションを手がける。http://sosososo.com

古賀稔章(編集者)
1980年福岡県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了、同大学院博士課程在籍。2004年~2009年までデザイン誌「アイデア」の編集に携わる。現在は、タイポグラフィやグラフィックデザインに関する執筆、編集、翻訳活動を行うとともに、アーティストやデザイナーとの親密な協働作業を通じた草の根的出版活動に携わっている。 http://and.jp.org

寄稿者
ルドヴィック・バランド / ハーシュ・パテル / 木村稔将 / エクスペリメンタル・ジェットセット / 木村浩康 / スルキ&ミン / フレーザー・マッグリッジ / ヨリス・クリティス / ucnv / デヴィッド・ラインフルト / 有馬トモユキ / チャド・クローファー / 岡本健 / 田部井美奈 / モード・オブ・クリティシズム / ベン・ラルーア / ディダー・パスカル / ジェームズ・ゴッギン / 大原大次郎 / トマゾ・ガーナー / ザック・グループ / アレックス・デアーモンド / ベアント・クッヘンバイザー / ナ・キム / 菅俊一 / トマス・ビザリ / アラン・ロドリゲス / エメット・バーン / アレクサンドル・ディモ / OFFICEABC / コリン・スニエ / シャルル・マゼ / エンドレス・サプライ / 田中良治 / OK-RM / split/fountain / 小熊千佳子 / 岡澤理奈 / ナショナル・グリッド / so+ba / 川村格夫 / プラクティス・フォー・エブリデイライフ / 中野豪雄 / 樋口歩 / 原田祐馬 / 後藤哲也 / アーロン・ニエ / ジョン・モーガン / ジュリー・ピータース / 宇川直宏 / マキシマージュ / ジェームズ・ラングドン / 田中義久 / 加藤賢策 / 山野英之 / 前田晃伸 / スタジオ・タン / ラディム・ペスコ / ハンス・グレマン / スコット・ポニック / ネダ・フィルフォヴァ / Studio Modesty / ブルーノ・マーガレット / エウロパ / ジョン・スエダ / マイケル・ロック / ブレイブ・ニュー・アルプス / リサーチ・センタード・デザイン+ショーン・ドナヒュー / ビューロー・ミルコ・ボルシュ / イエン・ライナム / ジェフ・ラムゼイ / 高田唯 / 長嶋りかこ / プロジェクト・プロジェクツ / アレックス・リッチ / ユルグ・レニ / マーク・オーウェンス / ペドロ・イノウエ / 小馬哥 / 橙子

〈特別企画〉カセットカルチャーの現在形

本特集は2000年代後半以降のカセットテープとデザインを取り上げる。レコード/CDの正方形とは違ったトリミング感覚,小サイズゆえの細部の省略,カード部分だけでないテープ本体やケースとのトータルなデザインなど,カセットカルチャーの独特なデザインのあり方を観察・研究することを目的としている。掲載テープのほとんどはすでに入手不可能だが,ひとまず入り口はここにある。

企画・構成:高岡謙太郎,ばるぼら
文:Dirty Dirt(p.096-109)kemmy(p.110-111)高岡謙太郎(p.112-116)
デザイン: 坂脇慶
写真:菊池良助

インタビュー:BURGER RECORDSジャパンオフィシャルウェブストア
店舗紹介:BIG LOVEMeditationstape school

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〈連載〉イエロー・ページ
第6回 ジャン・グエン(ホーチミン)

中国とフランスという二つの大国に長らく支配され,内戦によって南北を分断されたベトナムは,アジアの複雑な近代史を体現してきた国だ。なかでもホーチミンは「プチ・パリ」と呼ばれ,いまもフランス統治時の名残を街中で感じることができる。自国の多様なアイデンティティを吸収しながら成長を続けるホーチミンの若手デザイナーに話しを聞いた。

文・構成: 後藤哲也
共同編集: ジェイヴィン・モ
デザイン:スルキ&ミン

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〈イベントレポート〉
「日本のグラフィックデザイン史 1990-2014」トークイベント 

アイデア369号の特集「日本のグラフィックデザイン史1990-2014」に関連したトークイベント。「グラフィック篇」「ブックデザイン&タイポグラフィ篇」と題し,登壇者それぞれが25年間で印象の残ったデザインや潮流を紹介・解説。それをもとにしたディスカッションを行った。

グラフィックデザイン篇:
登壇者:色部義昭×菊地敦己×大原大次郎(司会:室賀清徳)
デザイン:大原大次郎

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ブックデザイン・タイポグラフィ篇:
登壇者:祖父江慎×坂野公一×川名潤(司会:長田年伸)
デザイン:長田年伸

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〈連載〉ばるぼら×野中モモ:日本のZINEについて知ってることすべて
第4回 80年代のジン──Life After Punk Rock

30年の時を経て,80’sスタイルはもはや何周目という話ではなく若者たちの選択肢のひとつとなり,街にはいつか見た気がするけれど昔とはどこか何かが絶対に違う意匠があふれている。パステルピンクにペパーミントグリーン,ネオンカラーにブラック&ゴールド。高度消費社会,個人主義,多様化,細分化,ポストモダン。そんなキーワードが付された時代のリアルな感覚を,残されたZINEから探ってみよう。ひとつ確かなのは,彼らも私たちも,パンク以後を生きているということだ。

デザイン:牧寿次郎

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Reviews & Information
新書体
the idea of music [017]
インフォメーション&新刊紹介
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレム発表

〈巻末綴じ込み〉Baconカセットラベル
デザイン:Bacon