IDEA magazine393
2021/3/10
世界とつながるマンガ 海外マンガのアクチュアリティ


世界とつながるマンガ 海外マンガのアクチュアリティ

企画・構成:原正人,アイデア編集部
デザイン:LABORATORIES(加藤賢策,岸田紘之)
撮影:青柳敏史
協力:八ツ橋敏行

2019 年までに日本国内のコミック市場は前年比12.8%増の推計約5千億円に成長し,スマートフォン向けサービスの台頭など,電子コミック市場が紙の市場を上回る成長をみせている。海外での日本マンガの人気も続いており,欧米,アジア,中東など,各国語版に翻訳される日本のコミック作品は後を絶たない。他方,海外作品の邦訳版はと言えば,その刊行機会は決して多いとは言えないだろう。マンガ表現は異なる文化圏,言語圏を超えて世界的に広がっているにも関わらず,世界のあちこちに存在する多種多様なマンガ作品を,私たちが実際に手にとり,読みふける機会はまだまだ限られている。

本特集では,フランス語圏のマンガ,「バンド・デシネ」の翻訳者であり,海外マンガの紹介活動や邦訳海外マンガの出版活動にも注力する原正人を企画監修にむかえ,全貌が見えづらい海外マンガについて,近年刊行された比較的あたらしい作品や作家,グラフィック的に評価の高い作品を厳選し紹介していく。これまで海外マンガに親しんできた人たちにとっても,そうでなかった人たちにとっても,自身と世界を接続する起点としての「マンガ」に出会い,親しむきっかけとして,本特集を楽しんでいただきたい。

マチュー・バブレ/Mathieu Bablet
ペネロープ・バジュー/Pénélope Bagieu
ダニエル・クロウズ/Daniel Clowes
ニック・ドルナソ/Nick Drnaso
アンナ・フィスケ/Anna Fiske
キム・ジェンドリ・グムスク/Keum Suk Gendry – Kim
リトルサンダー/Little Thunder
リチャード・マグワイア/Richard McGuire
メルワン/Merwan
ルネー・ノールト/Renee Nault
ルーク・ピアソン/Luke Pearson
シリル・ペドロサ/Cyril Pedrosa
ダヴィッド・プリュドム/David Prudhomme
パコ・ロカ/Paco Roca
ティー・ブイ/Thi Bui
エイドリアン・トミネ/Adrian Tomine
バスティアン・ヴィヴェス/Bastien Vivès
ティリー・ウォルデン/Tillie Walden

海外マンガ好きが選ぶ,読んでおきたいおすすめ作品

大橋徹二 [ヴァースコミックス
大林えり子[ブックギャラリーポポタム
川勝徳重
川名潤
サヌキナオヤ
嶋田詔太[本屋プラグ
真造圭伍
中山亜弓[タコシェ
西村ツチカ
野中モモ
樋口塊[古書ソオダ水
宮迫憲彦[CAVA BOOKS
森﨑雅世[書肆喫茶mori
山本美希

対談:かつしかけいた×原正人
社会的イシューを漂白しない 世界とつながるマンガ

越境するための邦訳海外マンガガイド

これから読みたい未邦訳マンガ

越境するマンガ家たち

デジタルシーンのいま

【寄稿】

拡張するアメリカン・コミックス
文:吉川悠

【インタビュー】

関谷武裕(「トーチweb」編集長)
聞き手:アイデア編集部 構成:高橋創一

フレデリック・トゥルモンド(ユーロマンガ)

原正人(サウザンコミックス)

中井真貴子(DU BOOKS)


連載│MIRRORS 鏡の国のグラフィックデザイン
第2回:Sulki & Min Part2

コミッションワークから自律的な作品,ポスターなどの印刷物から書籍など出版物のデザイン,あるいは映像やインタラクティブなメディアの制作,さらには出版社の運営や展覧会の開催など,これらの活動を実践するのは文化生産に携わるグラフィックデザイナーにとって一つの理想像だろう。Sulki & Minはこれらすべてを高いレベルで実践している。本稿執筆中の2月現在, 京都dddギャラリーでは,そんなふたりの活動を網羅的に紹介する日本初の個展が開催されている。後編となる今回は,展覧会活動を起点に,二人の自律的な活動,韓国のデザイナーネットワークの断面,そして,これからへと話をつなげていく。

構成・文:後藤哲也
デザイン:Sulki & Min
翻訳:後藤哲也
英文校正:ブラザトン・ダンカン


構成ポスターにおいて,私たちにおいて

現在東京都庭園美術館にて開催中の展覧会「20 世紀のポスター[図像と文字の風景]─ビジュアルコミュニケーションは可能か?」(主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館,日本経済新聞社)では、1920年代から90 年代にかけて制作された構成的ポスター130 点が展覧されている。本展をより深く理解するために、構成的ポスターについて佐賀一郎に解説してもらった。

文:佐賀一郎
編集・デザイン:長田年伸
協力:株式会社竹尾・学校法人多摩美術大学
画像提供:株式会社竹尾


文化を築く装飾系フォントの世界 楽フォントの書体づくり vol. 2

中国古来の漢字文化を日本語の漢字と仮名フォントに取り入れ,これまでにない多彩なフォントの創作に挑戦する新進のフォントメーカー,楽フォント。前回号から続く連続企画の第二弾では,3 月にリリース予定の新書体のラインナップを紹介していく。タイトルやロゴ,見出しでの使用を想定してデザインされた個性豊かなフォントは,日本のグラフィック文化のなかでどのようにローカライズされていくのだろうか。グラフィックデザイナーの佐々木俊とのコラボレーションによ る今回は,6つの新書体をテーマに佐々木に誌上ポスターの制作を依頼した。日中の自由な発想から生まれた誌面を楽しんでいただきたい。

デザイン:佐々木俊


出版文化における装画の役割「第6回東京装画賞」展レポート
文:小林真理

インフォメーション

新刊紹介


【別冊付録】
フェア・イナフ/ゲスト・ウィズ・ブックス・フロム・ジャパン│パート 2 
プレゼンテーション記録+レビュー交換/スイス編

スイスを拠点とする4つのコンテンポラリー・アートパブリッシャーのコレクティヴであるフェア・イナフ。彼らと同様の志向をもつ日本の2つのパブリッシャー,edition.nordとRondadeとのプライベートな交流の一様態として2019年に行われたのが,両者の刊行物のプレレゼンテーションとリサーチを目的とした2週間のツアー「フェア・イナフ/ゲスト・ウィズ・ブックス・フロム・ジャパン」だった。その概要は本誌390号の小特集「Fair Enough / Guest with Books from Japan アートブックフェア・オルタナティブへの実践的考察」に掲載されたが,本冊子はその続編にあたるもの。
 サイズと紙質の違う2種類の頁に対応したふたつの内容が並行して進行する冊子には,edition.nordとRondadeによる,スイス各地で行ったプレゼンテーションの写真記録(写真:伊丹豪)と,そこで本を買ったスイスの友人・参加者たちによる私的な書影とレビュー・テキストが収録されている。スイス側からのレビューの返答として,日本側の参加者がスイスの本をレビューする「日本編=パート3」も企画中。継続する交流の現在形として「レビュー交換」が続けられる予定だ。

デザイン:秋山伸+牧野正幸
写真/カラーページ:伊丹豪
寄稿:ソーニャ・ツァガーマン,ジャングル・ブックス,フランシスコ・パコ・カラスコサ,イレーネ・ヨスト,イゼット・シェシヴァリ
編集:斧澤未知子,ゲオルグ・ルティスハウザー,佐久間磨
翻訳:斧澤未知子


お詫びと訂正

393号内の記載に下記の誤りがございました。お詫びして訂正いたします。

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p.  1 目次内のページの記載内容
誤)181 インフォメーション
  182 新刊紹介
正)153 インフォメーション
  154 新刊紹介

p.  77 特集内「海外マンガ好きが選ぶ、読んでおきたいおすすめ作品」
山本美希さん推薦『Her Bark and Her Bite』の解説文 3-4行目
誤)・・・要注目。抜けのある使い方で、洒脱な画面構成がとにかく素晴らしい。
正)・・・要注目。洒脱な画面構成がとにかく素晴らしい。

p.  101 「越境するマンガ家たち」日本→海外 03と06の書影に対する書誌情報
誤)03 Tsugumi Project / 06 The Garden
正)03 The Garden / 06 Tsugumi Project

p.  137- 「構成的ポスターにおいて、私たちにおいて」 p.138 図2、p.139 図3のクレジット表記 
誤)© 2020 by ProLitteris, Zurich & JASPAR, Tokyo B0497
正)© 2021 by ProLitteris, Zurich & JASPAR, Tokyo B0524