IDEA magazine396
2021/12/10
色彩デザイン再考 デジタルカラーとこれからの色彩表現

IDEA No.396
Published: 2021/12/10
Price: 定価3,300円/3,000+tax jp yen
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色彩デザイン再考
デジタルカラーとこれからの色彩表現

企画・構成:アイデア編集部
監修:三井直樹
デザイン:LABORATORIES(加藤賢策,守谷めぐみ)

文字の色,絵や写真を構成する線や面の色,紙やインキの色など,色はグラフィックデザインにとって欠かせない要素のひとつだ。しかし,デジタルソフトを使えば専門的な知識を要さず繊細な色彩表現や配色の組み合わせを実現できるようになった現代にあって,グラフィックデザイナーたちは色についてどんな意識をもっているのだろうか。本特集はそうした疑問を出発点に,7名のグラフィックデザイナーに自身の色彩感覚が表われた制作物を紹介する誌面の作成を依頼し,彼・彼女らの色彩の実践に迫っていく。また,後半では,色のしくみや色彩論,色の規格化などにまつわる解説や寄稿,インタビューを通じて,身の回りの色彩により意識を向けるための視点や,色彩との新たな関わりかたについて考えを深めていくような構成とした。
 近年では,デジタル環境の進化によりRGBの色彩世界のみで完結するデザイン表現も増え,従来的な色彩論や色彩学の知識はグラフィックデザイナーにとって必須のものではなくなった。しかし,手法としての色彩ではなく,色やそれをめぐる思想に触れてみることにも意義があるのではないだろうか。現代の様相を反映するデザイナーたちの実践や企業の取り組みとともに収録した解説や論考からも,色彩表現を探究するためのヒントが得られるだろう。時代に合った色彩世界を実現していくために,色彩について学び考える機会としたい。

参加デザイナー

小林一毅

藤田裕美

岡﨑真理子

矢野恵司

佐藤豊

石塚俊

本田千尋

解説│色のしくみとデジタルカラー
文・図:三井直樹

寄稿│モダンデザインと色彩 円環の論理
文:佐賀一郎

コラム│日本の色の共通言語化
勝井三雄とDICカラーガイド

インタビュー│PANTONE

世界のどこでも再現できる色
色の共通言語化とサービス展開

インタビュー│竹尾
時代とともにアップデートされる色彩
竹尾ファインペーパーと色の変遷

インタビュー│Maximage
Color Library
印刷表現の可能性を広げるデジタルツールの開発


連載|MIRRORS 鏡の国のグラフィックデザイン
Vol. 3:EDUCATION


韓国デザインシーンの,ジェネレーションX,ミレニアルズ(ジェネレーションY)を取材してきた本連載。Vol.3では「教育」というフィルターを通して,ジェネレーションZを取り上げたい。韓国のデザイナーを取材して驚くことのひとつが学歴・学位の高さだ。Vol.1で取材したSulki & Minを筆頭に,ジェネレーションXと呼ばれる1960年代終盤から80年にかけて生まれた世代に,特に海外留学経験者や修士号取得者が多い。
 そのような彼・彼女らが今や教鞭をとる教育現場では,いったいどのような教育が行われ,どのような作品がつくり出されているのだろうか。今回紹介する学校は,梨花女子大学校,桂園芸術大学校,ソウル国立大学校,ソウル市立大学校,そして,弘益大学校の5校。各校の取り組みを確認し,後半では5校の教育者にインタビューを実施することで,韓国のジェネレーションXの教育実践と,ジェネレーションZの志向性を紹介する。

構成・文:後藤哲也
デザイン:Sulki & Min
翻訳:後藤哲也
英文校正:ブラザトン・ダンカン


家具から“新しい家具”へ
天童木工のヴィジュアルデザインに見る CI・VIデザインの源流

2020年に創業80周年を迎えた家具メーカー・天童木工。天童木工はジャパニーズモダンの思想をプロダクトで体現するひとつの手法として,伝統的な文化や意匠を引き継ぎつつ,成形合板加工などの新技術を用いることで“新らしい家具”のスタイルを提示した。その思想とプロダクトを社会に広めていくなかで,グラフィックデザイナーたちは製品カタログやロゴマークなどをデザインし,プロダクトの魅力はもとより企業哲学をも野心的なヴィジュアルに昇華することで,天童木工の存在を世に浸透させていった。80周年を期に,天童木工では社内資料の大規模なアーカイブが行われ膨大な資料の中から,社会との重要な接点であった製品カタログを中心に天童木工の歩みをひもとく。
 後半には古賀稔章による,戦後日本におけるCI・VIの芽生えに関する論考を据えた。剣持勇によるジャパニーズ・モダンに関する問題提起は,同時代のグラフィックデザイナーたちの取り組みにも波及し,日本の伝統的な造形原理と近代デザインの思想とが結びつく中でCI・VIデザインとして概念形成されていった。そうした流れが市民的な公共空間へのデザイン普及,つまりは印刷物・出版物へのエディトリアルデザインの導入につながる経緯を振り返っていく。

協力:天童木工
文:古賀稔章
デザイン:木村稔将
撮影:青柳敏史


活版印刷再発見
ニューカレンダー2022制作ドキュメント

本誌の別冊付録として今回で4年目を迎えたニューカレンダー。デザイナーの牧寿次郎と八紘美術との2度目コラボレーションとなる今年のテーマは黒。モノトーンの表現領域を探るため,八紘美術でのオフセット印刷に加えて,活版印刷を専門とする宮田印刷の協力のもと,カレンダーの表紙に活版印刷を取り入れたデザインが実現した。
 現在は使用頻度が少なくなった活版印刷だが,宮田印刷では製版の工夫や他の印刷工法との組み合わせにより活版印刷のあらたな表現領域を探る試みが続けられている。ニューカレンダーの制作にあたる宮田印刷での取り組みを中心に,同社での活版印刷や関連事業について話を聞いた。

インタビュー:山本千香
デザイン:牧寿次郎


NISSHA & IDEA Collaborative
デジタル印刷の創造力 第1回

オフセット印刷に対するオルタナティブな印刷工法として存在感を増しているデジタル印刷。これまでは使用できる用紙に制限があったり,オフセットと同レベルの印刷クオリティーを達成するのは難しいというイメージも少なからずあった。だが近年,プリント技術の向上により,オフセット印刷を凌駕するような新商品が登場しだしている。そのひとつが,美術書などの印刷を得意とするNISSHAらが開発したNDP(Nissha Digital Printing)だ。NDPはその特長として,広い色域の実現や用紙選択の高い自由度などを掲げる。2回の連載記事を通じて,NDPを使いデジタル印刷の可能性を探るプロジェクトの様子を紹介する。

デザイン:白い立体


展覧会リポート:組版造形 白井敬尚─国際様式から古典様式へ,そしてアイデアへ

インフォメーション

新刊紹介


別冊付録:ニューカレンダー 2022 

デザイン:牧寿次郎

 

 


お詫びと訂正

396号内の記載に下記の誤りがございました。謹んでお詫び申し上げ、ここに訂正いたします。

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p.  15 藤田裕美氏プロフィールテキスト
誤)2010年から2017年まで『WIRED』(日本版)アートディレクター
正)2011年から2017年まで『WIRED』(日本版)アートディレクター