IDEA magazine398
2022/6/10
田中良治 光るグラフィック

IDEA No.398
Published: 2022/6/10
Price: 定価3,300円/3,000+tax jp yen
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[特集]
田中良治  光るグラフィック

企画・構成:田中良治×アイデア編集部
デザイン:LABORATORIES(加藤賢策,守谷めぐみ)
協力:Semitransparent Design(柏木恵美子,有本誠司,金子拓史,郡司和也,竹久直樹)

2000年代初頭,インターネットを介して相互に働きかけられるオンラインメディアが生活に浸透していく中,田中はそのキャリアをウェブデザイナーとしてスタートし,コンピュータとテクノロジーを使って多様なデザインを編んできた。
 田中個人と,主宰するセミトランスペアレント・デザインの活動領域は多岐にわたり,田中のことをグラフィックデザイナーと認識する人もいれば,ウェブデザイナーやメディアアーティストだと考える人もいる。それは田中が,媒体や発表形態にとらわれずに作品づくりを展開してきたからだろう。
 それらの作品を視覚的に結びつける派手さや,厳格なスタイルはないものの,作品それぞれが共通する方程式の解であるかのように,その営みのどこかに田中の気配を感じさせるデザインの根拠がある。その根拠を生み出すキーワードは「時間軸」だ。そして,田中が意識する時間軸は「文脈」とも言い換えられる。

本特集では田中良治が手掛けてきた多様な作品群を,グラフィックデザイン・ウェブデザイン・インスタレーションアート・展示企画と,その形態によって分類し,カテゴリーごとに時系列で配置した。収録した作品のセレクトは田中自身の手による。1枚1枚の紙の上に作品を並列に配置し, 田中の創作に係るテキストを交えることで,過去と現在の田中の仕事を接続し,カテゴリーを超えて一本の帯となった,田中が志向してきた「時間軸をもったデザイン」が立ち現れることを目指した。

[序文]
田中の時代
文:永原康史

Graphic Design

[インタビュー]
田中良治 半透明な思想とデザインの20年
聞き手:萩原俊矢

Web Design

Installation Art

[鼎談]
雑談を続けて
渋谷慶一郎,新津保建秀,田中良治

Exhibition

[寄稿]
光とグラフィックの習合
文:gnck

[綴じ込み冊子]
EVERYTHING BUT THE INTERNET
文・デザイン:田中良治


 


[第2特集]
モジュラーシンセのデザイン ―その観察と記録
企画・構成:SO・アイデア編集部
監修:Rintaro(Clockface Modular)
デザイン:SO(橋詰宗)
撮影:青柳敏史,協力:Kenichi Takagi,Z_Hyper


欧米のコミュニティを中心に2010年頃から人気を集める電子楽器,モジュラーシンセサイザー。医療機器のような機能性重視のデザインから,手描きの文字やポップな配色を取り入れたグラフィカルなデザインまで,多様なデザインのモジュールがラックに隙間なく並べられ,その上にモジュール同士をつなぐパッチケーブルが蜘蛛の巣のように張り巡らされていく。その謎めいた姿に惹きつけられ,モジュラーシンセサイザーの世界に足を踏み入れる人も少なくない。
 本号第2 特集では,グラフィックデザイナー/サウンドデザイナーのSO( 橋詰宗)と,日本最大のモジュラーシンセサイザー販売店Clockface Modular の代表を務めるRintaroの協力のもと,個性豊かなインターフェイスデザインに溢れるモジュラーシンサイザーの世界を紹介する。その歴史をふりかえりながら,つくり手たちのデザイン思想にも触れていきたい。


[連載]
CRITIQUE&CONTEXT 批評とコンテクスト
第2回:批評の文脈
文:イエン・ライナム
翻訳:山本真実 


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