COLUMN
アイデア386号 第29回 ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2020|Issue 386: 29th International Biennial of Graphic Design Brno 2020

 

寄稿デザイナー略歴・ポスター概要

2019.06.17


アイデア386号掲載「第29回 ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2020」(pp. 89-148)のポスター寄稿デザイナーの略歴と各ポスターの概要を紹介します。


1. Sulki & Minp. 90-91

韓国・ソウルを拠点に活動するグラフィックデザイナー。出版物からインスタレーションまで,幅広い作品が国際的に認められている。ブルノビエンナーレとの関わりとしては,2012年に国際審査員を務めたのち,2014年には「Off-White Paper」と題する展示企画と出版物を発表した。
http://www.sulki-min.com/wp/

【ポスターについて】
韓国には現在,16以上の主要なビエンナーレが存在する。ソウル,光州,釜山のような大都市には,それぞれ現代美術のビエンナーレがある。また,建築ビエンナーレ,デザインビエンナーレ,工芸ビエンナーレ,カリグラフィビエンナーレも存在する。タイポグラフィビエンナーレすらあるほどだ! その多くは,不動産開発や観光事業として始まったものだと思われる。しかし,2年ごとに大規模な展覧会が開催することにより,一部のビエンナーレは「トリエンナーレ」に変わりつつある。これは,2023年までに186の博物館を新たに建設しようとしている国で起こっていることだ。しかし,私たちはきっとグラフィックデザインのビエンナーレを見逃してしまうだろう。


2. åbäkep. 92-93

(編集部より提示された)50ワードの中で,19年にも及ぶコレクティブの活動を定義する取り組みは容易ではない。「略歴」は,人々がセルフィー(自撮り)を行うようになるよりも前に存在していたが,自身が魅力的に見られるよう自らの姿を編集するという法則においては共通している。さて,そろそろ語り始めることとしよう。åbäkeとは……
http://abake.fr/


3. David Pons & Lissana Jouretp. 94-95

David Ponsはグラフィックデザイナーとして,Lissana Jouretはアーティストとして,フランス東部のヴァランスを拠点に活動している。エキゾチシズム,精神世界,ポップカルチャーなどに関心があり,写真,編集,インスタレーションを通してそれらを作品へと「翻訳」している。
@david.pons & @nadege_delacompta


4. Bibliomania: Alexandru Balgiu & Olivier Lebrunp. 96-97

本+愛+楽しさ=Bibliomania


5. Zak Groupp. 96-97

Zak Kyesは,Zak Groupの創設者兼クリエイティブディレクター。デジタルプラットフォーム,ブランドアイデンティティ,アーティストや美術館とのコラボレーションなど,幅広い事業とデザインプロジェクトを展開している。
https://www.zak.group/


6. Radim Peškop. 100-101, 126-127, 134-135

Radim Peškoは,ロンドンを拠点に活動するデザイナー・タイポグラファ。 2011年から16年まで,ブルノビエンナーレの組織委員会に所属し,第26回・第27回ビエンナーレの共同キュレーターを務めた。ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(イギリス)とECAL修士コース(スイス)でタイプデザインを指導している。
https://radimpesko.com/


7. Tamara Maletic / Linked by Airp. 102-103

芸術,教育,デザインに対する私たちの情熱は,私たちのクライアントに反映されている。私たちの規模はほかに類を見ないものだが,私たちは最先端のビジュアルデザインと複雑なプロジェクトを引き受ける能力,そして制度を変革する能力を兼ね備えている。私たちのデザイナーと開発者は緊密に協力し,お互いに触発されている。
https://www.linkedbyair.net/


8. アーロン・ニエ[p. 104-105

アーロン・ニエは,数々の受賞歴のあるグラフィックデザイナー・アートディレクター。国際グラフィック連盟(AGI)メンバー。現在は台北でスタジオ「Aaron Nieh Workshop」を主宰している
http://aaronnieh.com/


9. Laura Pappa & Elisabeth Klementp. 106-107

Laura Pappa & Elisabeth Klementはアムステルダムを拠点に活動するグラフィックデザイナー。彼女たちが取り組むノンコミッションワークには,教育,キュレーション,オーガナイゼーション,出版など,協働/共闘関係のもと実施される様々な活動が含まれている。これまでの主な活動としては,アスタリスク・サマー・スクール(エストニア)の運営のほか,無名のグラフィックデザイナーたちによる国際展示会「Signals from the Periphery」(タリンアートホール,2017年夏)のキュレーションなどがある。
https://www.laurapappa.biz/
https://www.elisabethklement.com/


10. Noviki: Katarzyna Nestorowicz & Marcin Nowickip. 108-109

Noviki studioは,グラフィックデザインとその周縁領域の境界を絶えず再定義するような,批評的なデザインアプローチを行うデザインスタジオ。アーティストやキュレーターとの密接な対話を通じて,出版,キュレーション,展覧会実践など,既存の「芸術」の枠組みに留まらない幅広いメディアへとその探求を広げている。
http://www.noviki.net/


11. 秋山伸[p. 110-111

グラフィックデザイナー/パブリッシャー。1990年代半ばから,美術・建築の書籍や展覧会のデザインを数多く手がける。2010年末に東京の事務所「schtücco」を解散し,新潟の豪雪地帯に移住。2011年より自社の出版レーベル「edition.nord」をベースにソロ活動を開始。ブルノ・ビエンナーレでは,2012,2016,2018年の国際展に選出され,最後の2回には現地を訪れている。現在,造本装丁コンクール審査員,ミームデザインスクール講師。
http://editionnord.com/

▼ポスターに記載の参加概要はこちらよりダウンロードいただけます。
idea386_BB2020_ShinAkiyama_text


12. Alice Gavin & Valentin Bigel at Groupe CCCp. 112-113

クリエイティブデザインスタジオ「Groupe CCC」は,Alice GavinとValentin Bigelのメンバーから構成される。2人は友人同士であるとともに仕事上のパートナーでもあり,スタジオは新しいコラボレーションのかたちを目指してインターネット上で運営されている。「Groupe CCC」は複数のプロジェクトの総称でもあり,個々のプロジェクトはグローバルリサーチの一翼を担う。それぞれのプロジェクトが互いに影響し合い,その総体自体がグローバルな循環を示している。
http://www.groupeccc.com/


13. Alyssia Loup. 114-115

Alyssia Louは,ロンドンを拠点に活動するフランス出身のグラフィックデザイナー。フランスの大学を卒業後,デザインの実践を発展させるためにロンドンへ移住。彼女の作品は,通俗的ではないリアリティと日々の出会いにインスパイアされている。ロンドンを拠点に活動するスタジオ「OK-RM」とのコラボレーションも行っている。
http://alyssialou.com/


14. LPPLp. 116-117

LPPLは,ロンドンを拠点に活動するアーティスト,壁画家,イラストレーター。 彼女がデザインしたアルカマル映画祭のロゴは,フランス・ダンケルクにある美術館FRAC Grand Largeにコレクションされている。


15. Katja Gretzingerp. 118-119

Katja Gretzingerは,ベルリンを拠点に活動するグラフィックデザイナー・デザインリサーチャー。デザインに関する知識と実験,そしてその制作と調停に関心がある。文化領域でエディトリアル,ポスター/タイプデザインを中心に活動している。
http://www.katjagretzinger.com/


16. In the shade of a tree: Sophie Demay & Maël Fournier-Comtep. 120-121

Sophie DemayとMaëlFournier-Comteによって2018年に設立された,ロンドンとパリに拠点を置くグラフィックデザインスタジオ。公的機関,アーティスト,キュレーター,フェスティバル,デザイナーらと密接な協働を行っている。
http://in-the-shade-of-a-tree.com/


17. Jon Sueda & chris hamamotop. 122-123

Jon Suedaは,アート・カルチャー系の印刷と展示デザインに特化した「Stripe SF」の創設者で,カリフォルニア芸術大学のMFAデザイン課程の教授。 christopher hamamotoは,サンフランシスコのベイエリアを拠点に活動するデザイナーで,カリフォルニア芸術大学助教授。(クライアントに頼らない)自律的なグラフィックデザインの実践を行っている。
http://www.stripesf.com/
http://chrishamamoto.com/

▼ポスター内の掲載画像のクレジットはこちらをご覧ください。
idea386_BB2020_imagereference_Jon&chris


18. Jean-Claude Chianalep. 124-125

パリを拠点に活動するグラフィックデザイナー/作家。
http://www.jeanclaude-design.com/


19. ナ・キム[p. 128-129

ナ・キムは,ソウルとベルリンを拠点に活動している。Table Unionメンバー。主にアート・カルチャー系の仕事を手がけながら,視覚言語にフォーカスしたセルフ・プロジェクトも積極的に展開している。2015年ニューヨークでの「SET」をはじめ多くの個展を開催。V&AやMoMAなどでの国際展にも参加多数。キュレーターとしても活動し,フィクラ・グラフィック・デザイン・ビエンナーレにはアーティスティック・ディレクターのひとりとして携わった。
http://ynkim.com/

【ポスターについて】
マニフェスト:ファースト・ブルノ・ファースト 1964 2020      ナ・キム

1964
1964年,モラヴィアン・ギャラリーで始まったブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレは,ビジュアル・コミュニケーションの分野において世界的に最も歴史があり重要なイベントのひとつだ。自由な芸術表現の権利そして国際的な評価の可能性を求めて,チェコスロバキアのアーティストやデザイナーたちの努力によってイベントが開催されていた1960年代,ブルノ・ビエンナーレは,当時の文化的政治的背景に対抗して誕生したのである。
同じく1964年,イギリスのグラフィックデザイナー,ケン・ガーランドによって書かれたファースト・シングス・ファーストが22人の署名と共に発表された。これは,デザイナーを含むビジュアルコミュニケーションに携わる者に対する挑戦状であり,近年さらに緊急性を帯びてきている。

2000
2000年,第19回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレで,リック・ポイナーは「マニフェスト:ファースト・シングス・ファースト 2000」と題した講義においてこのマニフェストの歴史的そして思想的な背景について言及した。「ファースト・シングス・ファースト 2000」は1964年のマニフェストの改訂版であり,グラフィックデザイン,芸術,ビジュアルアート界の先駆者達によって2000年に発表された。マニフェストはEmigre誌やEye誌他,重要なグラフィックデザイン誌でも公開され,グラフィックデザインにおける論争を再燃させた。

2020
これらふたつの並行する歴史と背景を並べた,2020年,第29回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレのためのポスター「マニフェスト:ファースト・ブルノ・ファースト 1964 2020」。
www.29.brnobienale.org

【ファースト・シングス・ファースト,マニフェスト,1964】
ここに署名した私たちは,広告にまつわる技術や手法が,私たちの能力を生かす上でもっとも有益かつ効果的で望ましいとされる世界で育ったグラフィックデザイナー,写真家,生徒たちである。私たちはこの信念に基づく多数の出版物に晒されてきた。また,キャットフード,胃薬,洗剤,育毛剤,縞模様の歯磨き粉,髭剃りの前後に使うローション,痩せる食べ物,太る食べ物,デオドラント,炭酸水,タバコ,その他あらゆる商品の販売促進のために,技術と想像力に鞭打ってきた人たちの作品を褒め称えてきた。

広告業界に従事する人たちの努力は,国の繁栄にはほとんど貢献できないまま,この些末な目的のために無駄に消費されてきたのである。

一般大衆の増加と共に,私たちも消費者に物を売りつける甲高い声がノイズにしか聞こえない飽和点に達している。今まで従事してきたこと以外に,デザインの技術と経験を活かせるはずだ。道路や建物の標識,書籍や雑誌,カタログ,マニュアル,産業写真,教育教材,映画,テレビの特集,科学および産業関連の出版物,その他のメディアによって私たちの職業,教育,文化,そして世界の見方を伝えることができる。

私たちが主張しているのは消費者広告の廃止ではない。そもそも現実可能ではないからだ。また,人生の楽しみを奪おうとも思っていない。私たちが提案するのは,優先順位を逆転し,より有用で持続的可能なコミュニケーションの形を優先することだ。私たちが願っているのは,やり手の商売人や地位のあるセールスマン,隠れた説得者といった人たちの口車に社会がうんざりして,私たちの技術が価値のある目的のために使われることだ。これを念頭に置いて,私たちは,同僚,学生,その他の興味を寄せる人々に,私たちの経験や意見を共有できるようにすることを提案する。

署名:エドワード・ライト,ジェフリー・ホワイト,ウィリアム・スラック,キャロリン・ロレンス, イアン・マクラーレン,サム・ランバート,イヴォル・カムリッシュ,ジェラルド・ジョーンズ,バーナード・ヒグトン,ブライアン・グリムブリ,ジョン・ガーナー,ケン・ガーランド,アンソニー・フロショー,ロビン・フィオール,ジェルマノ・ファチェッティ,イヴァン・ドッド,ハリエット・クラウダー,アンソニー・クリフト,ジェリー・シナモン,ロバート・チャップマン,レイ・カーペンター,ケン・ブリッグス

【ファースト・シングス・ファースト,マニフェスト,2000】
ここに署名した私たちは,広告にまつわる技術や手法が,私たちの能力を生かす上でもっとも有益かつ効果的で望ましいとされる世界で育ったグラフィックデザイナー,アートディレクター,ビジュアル・コミュニケーター達である。多くのデザイン関連の教育者や指導者もまたこの信念を信じてきたし,報酬にも反映され,さらには大量の書籍や出版物がこの信念を強化してきた。

デザイナー達はこの信念に基づいて,犬用のビスケット,デザイナーズコーヒー,ダイヤモンド,洗剤,ヘアジェル,タバコ,クレジットカード,スニーカー,ヒップアップのための器具,発泡酒,大型のSUV車といった商品の販売促進のために,技術と想像力を応用してきた。コマーシャルの仕事があれば生活に困ることはなかったが,多くのグラフィックデザイナーがコマーシャルの仕事ばかりに時間を費やすようになった。これはまた,デザインに対する世界の見方にもなっていった。デザイナーの時間とエネルギーが,大して重要ではないものの需要を生み出すために使い果たされているのである。

私たちの多くはこのようなデザインの在り方に居心地の悪さを感じるようになってきた。コマーシャルのメッセージで飽和した精神環境は,一般の消費者達の話し方,考え方,感じ方,反応の仕方,関わり方を根本的に変える。広告やマーケティング,ブランド開発に主に携わるデザイナー達は,このあり方を支持し推奨している。ある意味で私たちデザイナーが,人々の対話を減らし計り知れない害を与える一旦を担っているのだ。

私たちの問題解決スキルがより意味を持つ活動の場があるはずである。これまでに前例のないほどの環境的,社会的,文化的危機に,私たちは注意を向けなければならない。多くの文化的問題への介入,ソーシャルマーケティングのキャンペーン,書籍や雑誌,展示会,教材,テレビ番組,映画,慈善事業,その他の情報のデザインが必要とされるプロジェクトにおいて,私たちの専門知識と支援の提供は急務である。

私たちが提案するのは,優先順位の逆転だ。より有用で持続的可能かつ民主的なコミュニケーションの形を支持する。これは商品のマーケティングから離れ,新たな意味を追求し生み出すことへと思考を転換させることだ。狭まりつつある議論の場は広げなくてはならない。競合のいない消費主義には,視覚言語やデザインを活用することで対抗する異なる視点をぶつける必要がある。

1964年,22人のビジュアル・コミュニケーターがその才能をより意味のあることに使おうという声明に署名した。世界的なコマーシャル文化の爆発的な成長に伴い,このメッセージはさらに緊急性を増している。今日私たちは,この声明の実現まで数十年が過ぎてしまうことがないよう,彼らのマニフェストを改めて発表するものである。

ジョナサン・バーンブルック,ニック・ベル,アンドリュー・ブラウフェルト,ハンス・ボクティング,イルマ・ブーム,シーラ・ルヴラン・ド・ブレトヴィル,マックス・ブルインスマ,シアン・クック,リンダ・ファン・ドゥールセン,クリス・ディクソン,ウィリアム・ドレンテル,ゲルト・ダンバー,シモン・エスタソン,ヴィンス・フロスト,ケン・ガーランド,ミルトン・グレイザー,ジェシカ・ヘルファンド,スティーヴン・ヘラー,アンドリュー・ハワード,チボー・カルマン,ジェフリー・キーディ,ズザーナ・リッコ,エレン・ラプトン,キャサリン・マッコイ,アルマン・メヴィス,J・アボット・ミラー,リック・ポイナー,リュシアンヌ・ロベール,エリック・シュピーカーマン,ヤン・ファン・トールン,ティール・トリッグス,ルディ・ヴァンダーランス,ボブ・ウィルキンソン

*国際シンポジウム「オープンスペースとしてのデザイン」
第19回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ(2000年)
リック・ポイナー「マニフェスト:ファースト・シングス・ファースト2000」
www.old.bienale-brno.cz/2000/en/mez_symp/rick_a.html


20. 服部一成[p. 130-131

グラフィックデザイナー。1964年東京生まれ。1988年東京藝術大学美術学部デザイン学科卒業。ライトパブリシティを経て,2001年よりフリーランス。主な仕事に「キユーピーハーフ」などの広告,雑誌『真夜中』『流行通信』『here and there』のアートディレクション,美術展ポスター・告知物のデザイン,ブックデザイン,ロゴタイプなど。作品集に『ggg BOOKS 95: 服部一成』(DNPアートコミュニケーションズ),『服部一成グラフィックス』(誠文堂新光社)。


21. Mevis & van Deursenp. 132-133

Linda van DeursenとArmand Mevisは,アムステルダムを拠点に活動するグラフィックデザイナー。2012年に行われた第26回ブルノビエンナーレにおいて,アムステルダム市立美術館で行われた特別展「Temporary Stedelijk」のアイデンティティがグランプリを受賞した。


22. Betsy Bicklep. 136-137

ニューヨーク出身のグラフィックデザイナー。1970年代に活動を開始し,2012年以降はアメリカのテレビドラマ『ザ・ワイヤー』の登場人物トミー・カルケティの架空の大統領選挙運動を支援している。


23. Pinar&Violap. 138-139

2009年にPinar DemirdagとViola Renateによってアムステルダムで設立されたクリエイティブスタジオ。ファッションとテクノロジーのための特殊な効果を用いて,時代精神を体現する美的イメージを生成している。美と人を惹きつけるデザインの力を通じて,社会正義,豊かさ,繁栄,意識的かつ健康的な世界の実現をめざしている。
https://www.pinar-viola.com/


24. Wayne Daly & Shumon Basarp. 140-141

Wayne Dalyは,Claire Lyonとともに「Daly & Lyon」を主宰している。Shumon Basarは作家であり,思想家,文化批評家。


25. Dan Eatockp. 142-143

http://www.eatock.com


26. Ryan Gander with Zbigniew Zuławskip. 145-148

ライアン・ガンダーは,英国サフォークとロンドンを拠点とするアーティスト。マンチェスター・メトロポリタン大学とオランダの王立アカデミーおよびヤン・ファン・エイク・アカデミーで学び,現在は,英国ハーダズフィールド大学で視覚芸術の教授を務める。
 ガンダーの芸術観は,作品だけではなく,作品にまつわる思考をも重視する点に特徴があり,作品は鑑賞者の想像力を活性化し,新たな思考回路を生み出し,物事の認識を拡張してくれる。制作の背後には,美術全般についての考察,見ることについての洞察,日常経験の分析など知的な思考が満ちており,その手法は意外なものの結合,架空の状況の設定,情報の部分的な隠蔽,ユーモアの導入,過去と未来への誘導など,一風変わっているようでありながら,理にかない示唆に富んでいる。