IDEA magazine405
2024/3/8
世界を覗くグラフィック―断面図・間取り図・分解図―見えないものを描く視点

IDEA No.405
Published: 2024/3/8
Price: 定価3,630円/3,300+tax jp yen
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【特集】
世界を覗くグラフィック
―断面図・間取り図・分解図―見えないものを描く視点

企画・構成:アイデア編集部
デザイン:LABORATORIES(加藤賢策,鎌田紗栄)

たてものの骨組みを描いた構造図や間取り図,巨大都市の地下を這う地下鉄や下水道の断面図,閉ざされた工場内部の生産ラインを一望する俯瞰図など,ひとの目では見ることのできない都市や構造物の内側を描いた視覚表現には,見る者の想像力を掻き立てる不思議な魅力がある。絵本に登場する乗りものや機械の分解図,人体解剖図,野菜や植物などの中身を描いたイラストレーションは多くの子どもたちを魅了するし,街の俯瞰図や住宅の間取り図は大人たちの記憶や想像力に働きかける視覚装置でもある。

「見えないものをみる/描く」という行為は,人間にとって根源的な欲求のひとつとも言えるが,印刷技術が発達した近代以降には,欧米を中心に図鑑の中の解剖図や新聞・雑誌の挿絵として,断面図や分解図を用いたイラストレーションが親しまれてきた。一方で,そうした表現は近年グラフィックの分野で注目される「インフォグラフィックス」や「データヴィジュアライゼーション」にも共通する視点をもっており,イラストとデザインの両者をつなぐ表現とも位置付けられるだろう。そこで,本特集では領域を超えた視覚表現(グラフィック)の可能性を探ってみることにした。

取り上げた古今東西の8名の作家たちは,イラストレーターとして活躍する人もいれば,建築家やゲームグラフィッカーなど異なるバックグラウンドをもつ人もいる。しかし,ともに「ものの内側」を描くことに着目し,断面図や間取り図などの表現を用いて多くの人の目を奪う制作を続けている。また,特集後半の寄稿や小特集では,絵本における空間表現,地図や建築の領域におけるイラストレーションなど,見えないものを描くことに魅了された作家たちの仕事も紹介していく。彼/彼女らの視点を通じて,多くの読者が新たな発見や興奮に出会えることに期待したい。

 


塩谷歩波

 

遠藤慧

 

政⽊哲也

 

吉⽥誠治

 

[インタビュー]吉⽥誠治
ビリーバビリティの技法 吉⽥誠治が俯瞰する世界図

文・構成:髙橋そう

 

[小特集]
河童が“覗いた”ものたち 妹尾河童のイラストレーションとその視点

 

gozz

 

ダグ・ジョン・ミラー

 

オーウェン・D・ポメリー

 

エヴァ・ル・ロワ

 

[小特集]
絵本は見えないものをどのように表現するか
文:佐々木美砂

 

[寄稿]
西山夘三とイラストレーション
文:松本滋

 

[寄稿]
内視の欲求 断層に寄せる断章
文:大田暁雄

 

[寄稿]
英国屈指のカットアウェイ・アーティスト:レスリー・アシュウェル・ウッド
文:スティーブ・ホランド

 


 

[連載]

デザイン蒐集家たちの部屋
第5回:デザインアーカイヴ「Design Reviewed」part 5
デザインヒストリー:ヤン・ボンスが遺したもの

 

文:マット・ラモント
デザイン:山田和寛+竹尾天輝子(nipponia)翻訳:山本真実

 

水戸部功と名久井直子装丁から見える風景

聞き手・構成:長田年伸
撮影:青柳敏史

「Form #1: FormSWISS at ECAL」展開催記念
インタビュー:アレクシス・ゲオルガコプロス

21_21 DESIGN SIGHT「もじイメージ Graphic 展」
文字表現が示す,日本のグラフィックデザインの現在地と未来

文:長田年伸
撮影:木奥恵三

 

インフォメーション

新刊紹介

 


お詫びと訂正

405号内の記載に下記の誤りがございました。謹んでお詫び申し上げ,ここに訂正いたします。

——

[寄稿]内視の欲求 断層に寄せる断章
文:大田暁雄

p.  132 右列5行目
誤)奇跡とも思える。来自然と人間を〜
正)奇跡とも思えるが,元来自然と人間を〜